介護現場の口腔ケアは日常ケアとプロケアで

何歳になっても口腔ケアの基本は毎日の歯磨きであり、歯垢の付着を最小限にできれば高齢になっても若いころと同じように食事を楽しめます。
高齢になると歯を失うものと思うかもしれませんが、欧米の高齢者は天然歯で食事を楽しんでいることが多いです。
日本人が加齢に伴って歯を失うのは、年齢の問題だけではなく適切な口腔ケアをしていないことが大きな原因だとされます。
セルフケアでは歯ブラシの使用に加えて、デンタルフロスや歯間ブラシなども併用しましょう。
歯垢を完璧に除去していると思っていても、歯垢は目視で確認しにくい部分に潜んでいます。
ブラッシングで除去できる歯垢は9割程度だと言われており、残りの1割は残ってしまうのです。
歯垢を長らく放置すると歯石となり、そうなれば歯科のケアを受けなければ除去はできません。

介護の現場では要介護者への日常の口腔ケアに加えて、定期的にプロのケアを導入する必要があります。
この2つのケアを並行することにより、口腔年齢を若々しく維持できるのです。
口腔ケアはむし歯や歯周病、口臭を予防することだけが目的ではありません。
感染症を予防するためにも役立ち、例えば風邪やインフルエンザのリスクも軽減できます。
高齢者の病気は重症化しやすいため、特に口腔ケアで口腔環境を健全に維持する必要があるのです。
介護現場では定期的に口腔環境のチェックをし、特に食物残渣や歯垢はよくチェックしてください。
歯周病が進行すると咀嚼や嚥下障害の原因となり、さらに食物残渣を増やすという悪循環になるので要注意です。